株価が100円から-50%値下がりして、50円に転落してしまった。
でも-50%の下落だから、そのぶん+50%の値上がりがあれば、お金は取り戻せるや。
そんなふうに考えている人はいませんか?
このページでは、そんな値上がり率・値下がり率の「%の罠」について、解説していきます。
値上がり率、値下がり率、値幅%の基本については、以下の別記事参照。
● 値上がり率と値下がり率について理解しよう(参考記事) |
目次
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株価が100円のとき、その50%は50円ですから、半値の50円になったときは、-50%の値引きと言えます。
しかし50円が100円に戻るには、50円の100%が50円になりますから、必要な値上がり率は+100%。
元値が変わっている事に、気をつけましょう。
値下がり時は元値が100円だから、その50%で値幅50円。
しかし値上がり時の元値は50円であるため、その100%で値幅50円となるのですね。
値下がり時、100円の50%が50円 → 100円-50円(-50%)=50円 値上がり時、50円の100%が50円 → 50円+50円(+100%)=100円 |
このように、%のズレに注意しないといけません。
自分の持っている株が半値になってしまったら、元本をとりもどすのに、%上はその倍の値幅が必要になってしまう。
このことに気をつけましょう。
こちらは、100円が90円に値下がりした場合。
-10%の値下がりに対して、値上がり+11%あれば、元本を取り戻せることになります。
前者の「-50%になったら、元本を取り戻すのに+100%必要」という条件に比べれば、だいぶマイルドですね。
よく「損切りは-10%になったら」という基準が言われますが、このデータを見ると、それもうなずけると思います。
-10%に対して、+11%を取り戻せば、元本は戻ってくるわけですから。
さらにこちらは、-90%と深くえぐった場合。
この場合、元本に戻すまでに、なんと+900%も必要。
ようは10倍にしないといけない。えぐいですね。
このように、どんどん値下がりの深度が深くなっていくほど、元本に戻すまでの値上がり率はたくさん必要になる。
-10%の下落に対し、+11%が必要。
-30%の下落に対し、+43%が必要。
一気に幅が広がります。
損切りラインをしっかり決めることの意味は、これでよくわかると思います。
こちらは株価100円が110円になって、そのあと100円に戻ってくるパターン。
+10%値上がりした場合、-9%の値下がりで元の株価に戻ってくることがわかります。
値上がり+50%だと、値下がり-33%で。
値上がり+100%だと、値下がり-50%で全戻し。
+100%で元本が2倍になっていたとしても、-100%の下落に耐えられるわけではありません。
実際のところは、-50%の半値割りまでしか耐えられない。
その事実は、確認しておいた方がいいでしょうね。
最高値からの値下がり-50%自体は、株の世界ではわりと頻発します。
ちなみに、+300%の値上がりだと、-75%の値下がりで全戻し。
+900%、つまり元本の10倍になる値上がりだと、-89%の値下がりで全戻し。
たくさんある含み益も、多少の値下がりで、一気にふきとんでしまう理不尽さがあります。
株は値下がって損切りが遅れるほど、その元本を取り戻すのに労力が必要になります。
含み益も、多少の値下がりで一気にふきとぶことが、長期投資ではしばしば。
かといって、むやみに空売りやショートをしても、とれる値幅は100%まで。
だからこそ「両建て」も戦略のひとつになってくるわけですが、いずれにせよ「値下がり」という現象自体が、なかなかの理不尽なのですね。
しかしこれらの事実を知っておくことで、「これくらいまでに損切りしておかないと不利になる」とか「この含み益ならそれなりの大暴落でも耐えられる」ということを強く認識できるため、メンタル強化にはなるでしょう。
再度、この表をのせておきますので、実際に相場で取引をするときの資金管理に役立ててください。
わかりやすくするため、元値=株価100円で例をだしましたが、どの株価でも、この値上がりと値下がりの関係性は共通です。
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