酒田五法の「兵」にあたるローソク足の組み合わせとして、赤三兵(あかさんぺい)と三羽烏(さんばがらす)があります。
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赤三平 → 高値・安値を上に更新した陽線が3連続出現、三兵行進とも言う(下方乖離、もしくはレンジ上抜けで買い時)
三羽烏 → 高値・安値を下に更新した陰線が3連続出現、黒三兵とも言う(上方乖離、もしくはレンジ下抜けで売り時)
基本的には高乖離で売買ですが、一番いいのは、レンジ相場の上抜け・下抜けで赤三兵・三羽烏がでた場合。
この場合は相場の初動ということでわかりやすく、確度の高い売買シグナルになるでしょう。
いずれもそこまで大きくないローソク足、しかし引け坊主という状態ほど良いです。
赤三兵であれば「終値=高値」となっている線3本、三羽烏であれば「終値=安値」となっている線3本。
ホンダ(7267)では、2019年の下降トレンド中に、週足で赤三兵と上げ三法(次ページ「三法)参照)が出現。
トレンドライン上抜けで、買いエントリーを考えることができます。
赤三兵と三羽烏の前段階として、「スラスト」という概念もあります。
スラストアップ → 高値・安値を上に更新した陽線が2連続出現(買い時)
スラストダウン → 高値・安値を下に更新した陰線が2連続出現、ツタイ線とも言う(売り時)
いずれももう1本追加で3連続になると赤三兵、三羽烏になります。
スラストだけでは売買の確度は落ちますので、赤三兵、三羽烏になってからエントリーするのでも、遅くはないですね。
赤三兵・三羽烏に似た形として三手大赤線(さんてだいあかせん)、三手大黒線(さんてだいこくせん)も存在。
これらは赤三兵・三羽烏とは逆のシグナルになるので、注意します。
三手大赤線 → 高値・安値を上に更新した大陽線が3連続出現(上方乖離で売り時)
三手大黒線 → 高値・安値を下に更新した大陰線が3連続出現、三手大陰線とも言う(下方乖離で買い時)
1本目の線で窓をあけないこと、3本いずれも大きめのローソク足であること、ヒゲをつけていて、高乖離。
こういう状態であれば三手大赤線・三手大黒線と認識するのが正しく、反転シグナルとして使います。
ただし上窓をあけていても、三手放れ寄せ線(さんてはなれよせせん)という形で、上方乖離で赤三兵のあとに十字線をつけたら、売りの形になることに注意です。
なかなか難しいですね(笑)
赤三兵先詰まり → 赤三兵で3本目の陽線が上ヒゲ(売り時)
赤三兵思案星 → 赤三兵で3本目の陽線がコマ足(売り時)
赤三兵の変化形として、先詰まりと思案星(しあんぼし)があります。
このように赤三兵でも、3本目の足に上ヒゲがついたり、コマ足になることで、一気に売りシグナルになることに注意します。
上方乖離していない状態で先詰まりや思案星がでた場合は、様子見に徹することも大切ですね。
仕掛花火(しかけはなび)も赤三兵の応用で、天井サインとして機能。
坊主三羽と同時三羽は、いずれも三羽烏の強化版。
さらに売りシグナルとしての確度があがります。
坊主三羽 → 三羽烏でいずれも引け坊主(売りシグナル)
同時三羽 → 三羽烏でいずれも当日終値と翌日始値が同じ(強い売りシグナル)
上窓をあけて三羽烏が出現した場合、その後の足に警戒です。
三羽烏を上抜ける陽線(押さえ込み線)が出現した場合、売りシグナルは否定され、逆に買い時になります。
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