チャート、ローソク足、移動平均線、抵抗線・支持線。
株のテクニカルにおいて、これらの次に重要になるのが、出来高です。
むしろ出来高こそ最重要、「出来高だけを見てトレードする」という人もいるくらいです。
ぜひ、おさえておきましょう。
目次
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出来高というのは、簡単に言えば取引量のこと。
株の世界では、株が実際に取引された量のことですね。
たとえばあなたが100株を買えば、その時点で出来高はプラス100。
日足チャートであれば1日の出来高合計が表示されますし、週足チャートであれば1週間の出来高合計が表示されます。
(クリックで拡大・SBI証券株アプリより・出来高を各証券スマホアプリで表示可能)
こちらは塩野義製薬(4507)の2018年夏の日足チャート。
1日ごとの出来高合計が、株価チャートの下に表示されていますね。
そして8月直前の出来高が、周囲の出来高とくらべて大きい。
このように出来高が突出している日は、いつもより売買がさかん。
特異点(変化点)となりやすく、そのあと相場の質が変わりやすいです。
今回の塩野義の場合は、出来高をともなった大陽線がでたことで、それまでの株価5800円をレジスタンスとするレンジ相場が終わり、そこから上昇相場を開始。
大陽線のあとの押し目で、買いエントリーを考えます。
資生堂(4911)の2018年半ばの日足チャートでは、左丸から順に。
ギャップアップ後のはじめての足
天井をつけたときの足
1のギャップアップを窓埋めしたときの足
これらのときに、出来高が大きいですね。
出来高を根拠にするなら、それぞれ出来高が落ちついたあとに、以下のようなトレードができます。
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特に2番目については天井かどうかが、あとにならないとわからない。
しかし出来高によって、ある程度根拠を強化することが可能になるわけです。
花王(4452)の2018年秋の日足チャートでは、10月末頃に出来高をともなった底入れローソク足が発生。
このローソク足のあと、出来高がおちついて株価7000円の下値が安定したら、買いのエントリーを考えます。
下方乖離については別記事「移動平均乖離率とは?」参照。
以上のように、出来高が使えるパターンとしては、この4点が有力。
このように出来高は、ブレイクや反転の根拠を強化することができます。
いずれのエントリーも、大きな出来高が発生してすぐではなく、ちょっと様子を見てからが、好ましいですね。
なぜなら大きい出来高かどうかは、あとにならないとわからないから(笑)
後日の出来高が小さくなることで、はじめてその日の出来高が最大だったかが判明しますので、エントリーの判断はそこからでも遅くはないのです。
また、これらの使い方はあくまで代表例。
出来高というのはもっと奥が深く、いろんな使い方ができます。
株価チャート同様、慣れで理解していくものですね。
たとえば2018年秋のクレディセゾン(8253)の日足チャート。
まず最初に、大きな出来高ではあるけれど、水平サポート止まりのローソク足。
次の大きな出来高のローソク足では、水平サポートをブレイクして下落。
ラインのブレイク段階で空売りエントリーを考えますが、そもそも最初の大きな出来高つきローソク足が、ブレイクのきっかけだったと読むことができるんですね。
「出来高は株価に先行する」とか「出来高は嘘をつかない」とかよく言われますが、それがよくわかるチャートと言えます。
株価が特に動かないような大きな出来高でも、実は裏の意味があったりするわけです。
出来高ついでに、価格帯別出来高についてもご紹介。
(クリックで拡大・SBI証券株アプリより・価格帯別出来高を各証券スマホアプリで表示可能)
こちらは資生堂の2019年2月の日足チャート。
価格帯別出来高という、横軸の出来高を表示しています。
通常の出来高が縦軸、その時々の出来高であることに対し、価格帯別出来高は横軸、株価ごとの出来高。
ここが突出している株価では、取引量が多かったことを意味します。
単純にこれはトレンドライン等と同様、抵抗線や支持線になりやすいです。
出来高 → 縦軸で、時間帯ごとの取引量(多ければ相場の質の変化を意味)
価格帯別出来高 → 横軸で、株価ごとの取引量(多ければ抵抗線・支持線に)
今回の資生堂のパターンでは価格帯別出来高が多く、さらに通常の出来高も多い。
天井をつけた感が強くなり、絶好の空売りチャンスと言えますね。
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