株の長期投資におけるファンダメンタル分析の基本として、まず以下のふたつの主要な単語があります。
グロース株(成長株)
バリュー株(割安株)
グロース株というのは、売上や利益といった会社の業績が、毎年右肩あがりな銘柄のこと。
いっぽうバリュー株は、PER・PBRといった株価指標の数字が小さく、配当利回りの大きな銘柄のことです。
グロース株 → 前期と比べてどれだけ業績がよくなっているか(成長率)、売上に対してどれだけ利益をだせているか(利益率)、その他ROE・ROAなどの数字が大きい株
バリュー株 → 「会社の利益や資産に対して株価がどれだけ安いかを示すPER・PBR」が小さい株、もしくは「株価に対して配当がどれだけ多いかを示す配当利回り」が大きい株
グロース株中心に投資することをグロース投資、バリュー株中心に投資することをバリュー投資といいます。
特にグロース投資では業績の成長率、バリュー投資では配当利回りが重視されることが多いですね。
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結果的に、グロース投資のエントリーは順張り的、バリュー投資のエントリーは逆張り的です。
なぜなら成長株は業績の上昇をおりこんで、月足チャートがすでに上昇トレンドであることが多いからですね。
逆にバリュー投資は配当利回りが大きくなってる状態ですので、自然と月足が下降トレンドである銘柄が多いです。
グロース株のエントリー → 週足月足がすでに上昇トレンドを形成していて、順張り買いで入ることが多い
バリュー株のエントリー → 週足月足がすでに下降トレンドを形成していて、逆張り買いで入ることが多い
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こちらはサイボウズ(4776)の2018年・有価証券報告書(有報)。
年々、売上も純利益も右肩あがりです。
有報の見方については、復習記事を参考に。
● ファンダの業績成長を見る(復習記事・有報の検索方法) |
2019年時点で、週足も株価が移動平均線より上にくる上昇トレンドを形成。
順張りの買いで入れるグロース株と言えます。
(クリックで拡大・SBI証券スマホ株アプリより・JTの配当利回り)
いっぽう「JT」の略称で知られる日本たばこ産業(2914)は、2020年5月の段階で配当利回り7%。
時価総額4兆円の大型株としては、配当利回り7%は大きい部類になります。
そして月足は下降トレンド。
バリュー株と言えますね。
「下降トレンドのグロース株」もありますが、それは押し目としての確度が高くなるため、買い場と認識できます。
いわゆる「割安成長株」と呼んでいいものです。
「日足レベルでは下降トレンドを形成しているチャートに買いで逆張りし、月足レベルでは上昇トレンドを形成しているチャートに買いで順張りする」という風にとらえると、わかりやすいです。
また逆に、配当利回りがよくても業績が悪ければ逆張り買いを見送る人もおり、業績の安定した銘柄を狙うバリュー投資家もいます。
ようするに、あまりグロースとバリューで区別するのもよくなく、頭を柔軟にして考えよう、ということですね。
日足下降、月足上昇押し目の例として、こちらは2018年12月の日水(1332)の日足・月足チャート。
こういう銘柄は、買いやすいですね。
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