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PBRの適切な数値とBPS
<株投資のイロハ5-9>




PERについで有名な株価指標、PBR(株価純資産倍率)ですが、こちらでは時価総額と純資産を計算に使います。


目次

PBRの計算


PBR=時価総額÷純資産


時価総額100億円、純資産20億円であれば、PBRは5倍。

PER同様、単位には「倍」を使用。


● 総資産・自己資本・他人資本の違い(復習記事・純資産についての解説)


純資産(自己資本)は簡単に言うと、借金をのぞいた会社の運転資金のこと。

毎期の純利益が積もっていったもの(利益剰余金)でもあります。

ひらたくいえば、会社の貯金ですね。



  • 時価総額 → 「発行株数×株価」で、会社の価値(企業価値)を示す数字

  • 純利益 → 売上からあらゆる費用をひいた、最終的に会社に残るお金

  • 純資産 → 会社の非借金部分の運転資金で、毎年の純利益の積み重ね(会社の貯金、自己資本)


つまり会社の貯金に対して、株価がどれだけ安いかを見るのが、PBRというバリュー指標になります。


純資産・PBRは安定的な長期向け指標



PERは時価総額を、そのときの純利益(PL)で割ったもの。

いっぽうPBRは時価総額を、毎期の純利益の積み重ねである純資産(BS)で割ります。

なので原則PERにくらべてPBRは安定し、長期的に機能

1年程度、会社がミスをして純利益がマイナスになったとしても、そこまでPBRは大きく変動しないのが普通です。

こうした理由から、PERよりはPBRを使う投資家のほうが多いですね。



  • PER → フロー指標(短期的に機能、分母の純利益が大きく変動しやすいので、PERも毎期ごとに大きくぶれる)

  • PBR → ストック指標(長期的に機能、分母の純資産は純利益の積み重ねなので、PBRも毎期ごとにそんなに変わらない)


PBRがいきなり大きく変わるような株は、会社の貯金である純資産に大きな変化のあった株ということになりますので、初心者は手出し無用です。


BPSとは?


EPS同様、PBRにもBPS(一株あたり純資産)という概念があります。

純資産を発行株数で割ることで、BPSがでてきます。

また株価をBPSで割ることでも、PBRがでてきます。


PBR=株価÷BPS=時価総額÷純資産

株価×発行株数=時価総額

BPS×発行株数=純資産



株価もBPSも、それぞれ時価総額と純資産を発行株数で割ったものですから、計算のかわりに使えます。

基本これらの仕組みは、PER・EPSと同じです。


どれくらいでPBRは大きいか?


PER同様、PBRも小さいほど買い時となり、大きいほど売り時と判断できます。

感覚、平均的なPBRは3倍程度。

PER1倍以下で小さいと言え、買い時

PER8倍以上で大きいと言え、売り時です。

またPER同様、業種や時価総額によっても、適切なPBRは変わっていきます。


<成長率が安定した大型株の妥当なPBR値>

  • 買い時 → 1倍以下

  • 平均 → 3倍

  • 売り時 → 8倍以上



まあPBR2桁倍というのは、そうそう見かけません

そういう株があっても普通は買いませんし、持ってるなら売りで正解ですね。


PERはPBRより大きいのが普通


なお、純利益が赤字になってPERがマイ転しないかぎり、原則として「PER>PBR」です。

感覚、PERはPBRの3倍~8倍程度におさまります

イメージとしてPERが30倍であれば、だいたいPBRは5倍程度。

PER50倍であれば、PBR8倍程度、といったところです。


(PER・PBR・EPS・BPSはスマホ株アプリでも確認可能)


具体例のひとつとして日本電産(6594)。

2019年7月時点で、予想PER30倍、実績PBR4倍となっています。


  • 予想PER → 現在の株価(時価総額)を、来期予想のEPS(純利益)で割ったPERで、来期の利益をおりこんだ指標として多用される

  • 実績PBR → 現在の株価(時価総額)を、今期BPS(純資産)で割った普通のPBR


(参考データ)

優良大型株の昨今おおよその平均的なEPS・BPS → 300円・3000円

EPSが300円以上、BPSが3000円以上の会社は基本的に優秀


よくあるPBRの嘘


「PER10倍の銘柄を買えば、10年間で元金ぶん確実に稼げる」みたいなデマ話と同じく、PBRにもデマ話があります。

それは「PBR1倍以下の銘柄を買えば、元金ぶん確実に稼げる」という話です。

正確には「株価がPBR1倍以下のときに投資すれば、会社が解散したとき、株主がうけとれる金額が投資額以上になる」という理屈。

まあ、これも言うまでもなく嘘で、こんなこと言ってる人がいたら、株のド素人だと思ったほうがいいですね。



確かにPBR1倍は、テクニカル的にはサポートライン・レジスタンスラインとしてそれなりに機能。

特に大型株のPBR1倍割れは、買い時になることが多いですね。

しかしそれだけの話で、元本保証になるということではありません。



たとえば2019年1月に上場廃止・倒産した銘柄として、洋菓子メーカーのシベール(元2228)があります。

上場廃止を疑われ株価が大暴落したあと、試しに私は優待のお菓子目的で、100株だけ買ってみたのですね。

その後、見事に上場廃止。

しかし解散時にお金が私に還付されることは、ありませんでした(笑)


株の世界で元本保証ということはない


PBRにかぎらずPERもそうですが、「会社の純資産や純利益は最終的には株主のものだから、投資金額の元本保証をPBRやPERで捉えることができる」という考え方は、非常に危険ですのでやめましょう。

会社の決算なんて、あとからいくらでもこじつけることができますので、その都度PBRもPERも変わります。

上場廃止直前にPBR1倍以上に変わっていることだって、ありえますね。


そもそも会社解散時の純資産も、株主に分配されるまえに、まずは会社の借金返済にあてられます。

会社側からすれば、株主に対してお金の返済義務がないのが鉄則です。


実際のところは「会社の純資産や純利益は株主のものではない」ということを、覚えておきましょう。

株で元本保証という話があったら、まずは嘘と思ってください


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