成長率は、グロース株のファンダメンタル分析をするうえで、一番重要な部分です。
売上、営業CF、純利益といった会社の収益・利益が、毎年どれくらいあがっているかを確認します。
投資の王道ですね。
今回はラクス(3923)を使って、見ていきましょう。
目次
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ラクスの売上・営業CF・純利益は、2019年までで、いずれも年々上昇。
(SBI証券スマホ株アプリより・ラクスの成長率)
各証券アプリなどでは、この売上や利益が去年からどれだけあがったかを示す変化率が、表示されています。
この変化率を「成長率」といい、グロース株投資では大切にするわけです。
単純計算のイメージとして、たとえば去年の利益が1000で今年の利益が1100だったら、1000の10%である100が増えたぶんなので、成長率は10%、という具合。
ちなみにスマホアプリの「増収率」は売上の成長率、「経常増益率」は経常利益の成長率。
ためしに、上の絵のスマホ株アプリのラクス「18年3月連」の項目を検証してみましょう。(「連」は連結決算で、会社全体の1年分の業績のこと)
増収率プラス29.9%、経常増益率プラス28.3%ですね。
2017年と2018年の売上と経常利益は有報によると、千円単位で以下のとおり。
どれくらい数字が変化したかを計算するには、以下のような計算をします。
(今年の収益-去年の収益)÷去年の収益 |
2018年の成長率を求める場合は、2017年と対比してどれだけのびたかを調べますから、以下のように。
(2018年の収益-2017年の収益)÷2017年の収益 |
ラクスにあてはめると、以下のような感じに。
株アプリで表示されている増収率、経常増益率と一致することがわかりますね。
これら成長率の数字が、売上、営業CF、純利益などの項目で、それぞれ毎年10%以上あるのが、グロース投資としては好ましいです。
株アプリの成長率を見ても良いですし、上述のように、株アプリで表示されてない成長率指標は、自分で計算してみるのも良いですね。
ラクスは毎年売上も経常利益も成長率が20%、30%をこえることもしばしば。
余裕の合格ラインと言えます。
成長率は、多ければ多いほどよいです。
やはり株価の伸びる銘柄は、成長率を20%とか30%とかだすことが、めずらしくありません。
業績右肩あがりの成長率良好な銘柄は、このように株価チャートの月足も右肩あがりに。
株価チャートの月足が右肩あがり(テクニカル)
売上、営業CF、純利益などの収益業績も、毎期成長率10%以上で右肩あがり(ファンダ)
このようにテクニカル面とファンダ面で根拠をそろえてやれば、株投資の確度はかなりあがります。
ちなみにラクスの2018年と2017年の営業CF、純利益は以下のように。
ラクスの2018年の営業CF成長率は79.8%、純利益成長率は19.6%であることがわかります。
またラクスのように、売上も利益も前年にくらべて毎年右肩あがりの状態にあることを「増収増益」と言います。
「収」は売上にかかり、「益」は利益(経常利益や純利益)にかかります。
増収増益 → 売上も利益もあがる。投資するうえで一番理想的な状態。(大型株に求められる形態)
減収減益 → 売上も利益もさがる。投資は控えたほうがいい状態。
増収減益 → 売上はあがっているが利益はさがっている。投資する場合、経費の使い方をよく調べる必要あり。(有望な小型株が眠っている)
減収増益 → 売上はさがっているが利益はあがっている。一番不自然な形。粉飾可能性大なので、初心者は減収減益以上に投資は控えたほうがいい。
● 株にはどんな種類がある?(復習記事・大型株と小型株ってなに?) |
株初心者は原則、毎年増収増益になっている銘柄を買っていくのがオススメですね。
(SBI証券スマホ株アプリより)
四季報や株アプリでは、このように業績成長率の項目に「X年X月連予」の表記があります。
「予」というのは文字通り予定のことで、「来年は、今年に比べてこれくらいの業績を達成する予定ですよ」という会社側の業績予想です。
これを「業績ガイダンス」と言います。
このガイダンスの成長率数値がプラスになっていることも、銘柄選びでは重要になりますね。
<成長率を使った投資のポイント> 売上、営業CF、純利益などの成長率が、それぞれ毎年10%以上の銘柄に投資する |
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