株の売買にはさまざまな方法がありますが、なかでもよく使われるのが「成行(なりゆき)注文」と「指値(さしね)注文」です。
これから株を売買していくという初心者は、この成行と指値の違いを、よく知っておきましょう。
成行注文 → 直近の最安の売り注文をすぐに買う(すぐに買えるが、高く買うことになる)
指値注文 → 自分で買う値段を安値で設定して買い注文をだす(安く買えるが、すぐには買えないし、買えないこともある)
買った株を売る場合は、逆になります。
成行注文(売) → 直近の最高の買い注文にすぐに売りつける(すぐに売れるが、安く売ることになる)
指値注文(売) → 自分で売る値段を高値で設定して売り注文をだす(高く売れるが、すぐには売れないし、売れないこともある)
こうして買った株を売って処分することを「反対売買」と言います。
(クリックで拡大・SBI証券スマホアプリより4661・オリエンタルランドの板)
たとえば、こちらはオリエンタルランド(4661)の板。
株の世界では、各銘柄に「板」というものがあります。
ここに、投資家たちの指値注文が、ひととおり並んでいるわけです。
このときの株価は11255円。
これより上に並んでいる板が、売り指値の売り板。
下に並んでいる板が、買い指値の買い板です。
まず初心者の注意点として。
株価が11255円だからといって、11255円あれば株を買えるわけではありません。
だいたいの株は、100株を1単元(最低取引額)としてます。
なので、株価に100倍した金額を、用意する必要がありますね。
オリエンタルランドの場合は112万5500円。
そして実際に取引するときは、株価はどんどん変わっていくこと、手数料がかかることを考えて、余裕資金を証券口座にいれておくことが大切。
株価11255円であれば、前もって120万円程度の資金は、入金しておきたいところですね。
(1株単位・11255円の小資金で買いたい場合はミニ株がオススメだが、成行注文しかできないことに注意する)
(要点) 株を買うなら、株価に100倍した金額を用意する必要がある |
では、どうやって株を買っていくのか?
たとえばここであなたが、最低取引額の100株の買いを成行注文すると、最安の売り指値である11260円の100株が板から消費され、11260円の売り板3200が3100になります。
そしてあなたは、112万6000円と売買手数料の数百円を払って、オリエンタルランドの100株を獲得。
株価は11255円から11260円へと更新されます。
この売買の成立を約定(やくじょう)と言います。
こうして約定した値段へと、株価は都度、推移していきます。
いっぽう指値注文は、自分で買いたい値段を設定できます。
これを「指す(さす)」「指しておく(さしておく)」なんて言ったりします。
11240円のところに100株を注文すると、11240円の買い指値の買い板1900が2000に増えます。
成行注文で株を売ってくれる人待ち、ということになるわけです。
株をその値段で売ってくれる人がいれば、112万4000円で株を買えますが、そのまま株価が上にいってしまったら約定しませんので、注意します。
<株取引の優先ルール>
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売り指値に株を買いたい人の買い成行がぶつかり、買い指値に株を売りたい人の売り成行がぶつかる。
このくりかえしで、株価はどんどん変わっていきます。
わかりやすく言えば、すぐにでも株を買う人がふえれば株価はあがり、すぐにでも株を売る人がふえれば株価はさがるわけです。
このように株は、ひとたび会社が発行すれば、あとは市場(板)の投資家たち同士で、売買がすすんでいきます。
増資や自社株買いなどの例外をのぞき、会社は原則もう市場の売買には関与してこない、ということも、覚えておくといいですね。
なお、株の営業時間は朝9時~11時半の前場(ぜんば)から、昼12時半~15時の後場(ごば)まで。
この株が実際に売買される営業時間帯を「ザラバ」と言ったりします。
● 取引時間と板(株の取引時間に関する詳細記事) |
土日祝、振替休日、大晦日、正月三が日以外は、基本営業日です。
非営業日に成行注文を設定すると、翌営業日の朝9時以降に実行される予約注文という形になります。
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