さて、ここでもう一度、株の取引時間について確認していきましょう。
株取引にはザラバ、板寄せ、非営業の3つの状態があります。
ザラバが、実際に板が動き、私たちの株取引できる時間。
いっぽう板寄せや非営業の状態では、成行注文をだしても、すぐには約定しません。
約定はザラバ待ちとなります。
ザラバであれば、すぐに成行注文は約定します。
● 株ってどうやって買うの?(復習記事・成行注文のわかりやすい解説) |
ザラバは平日の朝9時~11時半(前場・ぜんば)、12時半~15時(後場・ごば)、地方銘柄であれば15時30分まで。
前場と後場のあいだの1時間を「昼休み」といい、非営業状態になります。
ザラバ開始時間を「寄り・寄付(よりつき)」、ザラバ終了時間を「引け」と言ったりします。
特に前場の寄り引けをそれぞれ「前場寄り・前場引け」、後場の寄り引けをそれぞれ「後場寄り・大引け」など。
いろいろ単語がでてきて、わかりづらいですね(笑)
しかし株をやっていくうえでは、基礎の基礎です。
大雑把でもいいので、記憶の片隅にとめておきましょう。
まとめると、以下のような感じ。
ザラバ(営業時間) → すぐに成行注文が約定する
板寄せ・非営業 → 成行注文は予約注文となって、次回ザラバに約定する
非営業日に関しては株の取引ができず、成行も指値もすべて、翌営業日のザラバ朝9時への予約注文となります。
ちなみに1年の最初の営業日を大発会(だいはっかい)、最後の営業日を大納会(だいのうかい)と言ったりします。
板寄せというのは、みなさんの指値注文や成行注文を集計中の状態のこと。
基本的に前場や後場の寄り付け前(寄り前)にこの板寄せ状態になり、9時と12時半のザラバ開始の株価(始値)を算出します。
この板寄せからザラバに推移して、実際に取引できるようになることを「寄る・寄り付く」と言います。
(クリックで拡大・SBI証券スマホアプリより・板寄せ方式の板の例)
「基本的に」と言ったのは、もちろん例外があります。
9時~15時のザラバ中でも、板寄せ・非営業のような売買不可状態(成行の予約注文)になることがあります。
たとえば、以下のようなときですね。
ストップ高(略称・S高)、もしくは寄らずのストップ高(H)
ストップ安(略称・S安)、もしくは寄らずのストップ安(L)
特別気配(特)
連続約定気配(連)
SBI証券の場合は、板に「特」とか「連」とかでてきますが、そのあいだは板寄せ状態のようになり、取引ができません。
いずれも共通点は「いきなり大量の買いや売りが入ったときにおきる」ということ。
SBI証券スマホアプリより、上の絵は特別気配売り(特売)の例。
成行の予約売りも、多いことがわかります。
だいたいこのあと寄り付くと、株価は特売に入るまえと比べて、大暴落しています。
これを「ギャップダウン」と言いますが、ギャップダウンについては別記事参照。
● ギャップと窓埋め(ギャップダウンの詳細な解説) |
そして問題になるのが、こうしたギャップダウンが発生すると、損切りの逆指値が一気に飛んでしまうことですね。
<ギャップによる逆指値飛びの例>
株価700円の株を買って「680円以下で成行売り」の条件で逆指値設定する
株価690円までさがったところで、「特別気配売り」となる
株価640円で特別気配売りが解除され、逆指値も640円で約定してしまう
もちろん、普通に何日もポジションを持ち越す場合も、一気に株価がとぶことはあります。
ザラバ前の板寄せの段階で売りが多ければ、前日より株価はかなりギャップダウンでさげてスタートします。
ですので「逆指値の飛び」は、なにもザラバ中の特別気配にかぎったことではありません。
ただ資金管理のうえでは、なるべく「逆指値の飛び」は意識的になくしたいものですね。
こういったザラバ中のギャップによる株価の飛びは、やはりマザーズ・ジャスダック市場の新興株・小型株に多いわけです。
ボラティリティー(値動き)の激しい小型株に慣れていない場合は、やはり東証一部銘柄を売買していたほうがいいでしょう。
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