為替FXや先物メインでやっている人にはいまいちピンとこないでしょうが、日本株の世界では、1日に動ける株価の範囲というのが、あらかじめ決まっています。
これを、値幅制限と言います。
値幅制限は前日の終値(15時大引けの株価)を基準に、計算されます。
以下のような感じ。
たとえば「前日の終値が300円の銘柄だったら、今日は最低220円から最高380円までの株価しか動かない」ということになります。
具体的には、前日終値が300円ですので、上記の表「前日終値=200円~500円未満・制限される値幅=80円」があてはまる。
300円を80円上下させた株価が当日動ける株価の限界になり、「220円~380円」というわけです。
また、この動ける株価の下限を「ストップ安」、上限を「ストップ高」と言います。
上の例の場合は、220円がストップ安、380円がストップ高ですね。
ストップ安(略称・S安) → その日の値幅制限の下限の株価のこと
ストップ高(略称・S高) → その日の値幅制限の上限の株価のこと
この株価になると、ザラバだろうと板寄せ同然になり、取引ができない状態になります。
(クリックで拡大)
上の絵、SBI証券スマホアプリより、ストップ安とストップ高の板の例。
ストップ安だと株価より下の板がありませんし、ストップ高だと株価より上の板がありません。
しばしばこの状態を「板がはりついた」と表現します。
また連日で終日ストップ安、ストップ高をつけることもあり、これを「寄らずのストップ安・寄らずのストップ高」とか言ったりしますね。
当然このあいだも、一切取引不可能。
逆指値がとんでしまうことに、気をつけます。
特にストップ安になるときロング玉をいれていたり、ストップ高になるときショート玉をいれている状態を「つかまった」と表現することも、ありますね。
文字どおり、逃げられません(笑)
そのまま連日、寄らずのストップをつけるようなら、損害は一気に拡大。
ここが株の怖いところですので、気をつけないといけない点ですね。
● PTS市場の注意点と使い道(売りポジでつかまったときの応急処置法・参考記事) |
寄らずのストップ安(略称・寄らずのS安) → 連日で、寄りから引けまでストップ安をつけて売買不能になる状態
寄らずのストップ高(略称・寄らずのS高) → 連日で、寄りから引けまでストップ高をつけて売買不能になる状態
はりつく → S安・S高で売買が停止した状態
つかまる → ロング玉を持ったままストップ安や特売(特別気配売り)、ショート玉を持ったままストップ高や特買(特別気配買い)をくらった状態
(クリックで拡大・SBI証券スマホアプリより)
2018年11月~2019年2月のサンバイオ(4592)では、寄らずS高と寄らずS安が連続で発生。
株価を表すチャート上では「一本線」が多発しており、この間は取引が一切不可能。
追証も大量発生しました。
● レバレッジの間違った使い方(復習記事・追証に関する解説) |
私も2018年10月19日に、デイトレで川金HD(5614)に空売りしていたら、後場寄りストップ高をくらい、買戻しの逆指値が機能せず、つかまったことがあります(笑)
つまり前場終了のあと、その日はずっと取引不可能で寄らなかった、ということですね。
前場と後場のあいだの非営業の昼休みを持ち越す時点で、十分に逆指値は突破される可能性があります。
こういうのが嫌なら、デイトレは早々に前場で手仕舞いしておくのが正解でしょうね。
ただこのストップ安・ストップ高というのも、そんな頻繁に起きることではありません。
そして起きるにしても、だいたいが小型株や新興株。
大型株を取引しているかぎりは、ストップの可能性は低いです。
時価総額1000億円以上の大型株 → ストップ安・ストップ高がおきにくい(逆指値が機能しやすい)
時価総額1000億円以下の小型株 → ストップ安・ストップ高がおきやすい(逆指値が機能しにくい)
前述のサンバイオも、マザーズ市場の新興株です。
こうしたリスク管理の点からも、やはり初心者はトレードの時間軸を長くして、東証一部の大型株をやったほうがいい、というのがうなずけると思います。
これまでの第三章では、株のシステム面について見てきました。
次ページの第四章より、いよいよ本格的に株の攻略法に入っていきますよ。
お楽しみに!
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