グロース株を分析するうえで、ROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)という利益率指標があります。
海外投資家には、よく好まれる指標です。
目次
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ROE=純利益÷自己資本
ROA=純利益÷総資産
ROEは、自己資本に対してどれだけ純利益を稼いでいるかの指標。
ROAは、総資産に対してどれだけ純利益を稼いでいるかの指標になります。
ようするに、資金効率性。
会社の活動資金に対して、見合った額を稼げているかどうか。
それを見るのが、ROEとROAなわけです。
ROE=会社の手持ちのお金に対して、毎期どれだけ稼いでいるかを見る
ROA=借りてきたお金を含めた全活動資金に対して、毎期どれだけ稼いでいるかを見る
原則、自己資本より総資産のほうが多くなりますので、常に「ROE>ROA」となります。
ひとつの基準として、グロース株に投資するなら「ROE10%以上・ROA5%以上」はほしいところです。
それ以下になると資金効率が悪く、「怠けている会社」と認識されても仕方がないですね。
なお、ROEとROAにひらきがない株ほど、借金は少ないです。
「自己資本に対して借金をどれくらいしているか」をしめす指標・財務レバレッジをROAにかけると、ROEになります。
ROA×財務レバレッジ=ROE |
財務レバレッジがあがるほどROEはふくれあがりますので、ROEが大きければ、なんでもいいというわけではありません。
ROAとどれだけ離れているかをしっかり見て、判断する必要があります。
初心者が投資すべき株は、財務レバレッジは2以下がオススメ。
なので、たとえばROAが10%であれば、ROEは20%以下がふさわしいということになりますし、ROA20%なら、ROEは40%以下がふさわしいですね。
ROEがROAの2倍以上になってないか、チェックしましょう。
<ROE・ROAを使った銘柄選びのポイント>
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(クリックで拡大・証券スマホアプリでROE、ROA、自己資本比率が見れる)
任天堂(7974)は無借金経営で有名。
株主資本比率(自己資本比率)が高めで、ROEとROAにそこまでひらきがないことがわかります。
自己資本比率は財務レバレッジの逆数ですので、自己資本比率が高いほど、ROEとROAの差がなくなります。
2018年の100%超えの良質な業績成長率もあいまって、任天堂は2016年中盤から2018年頭までは、右肩あがりの月足チャートを形成しています。
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