信用取引を利用していると、毎日かかってくる手数料として「金利」があります。
また制度信用取引を使っていると、さらに逆日歩という手数料も発生することがあります。
こちらは個人投資家の空売り発注量が多くなると、日々発生するようになります。
ちなみに逆日歩を払うのは売りポジ側。
買いポジ側(制度信用取引)は、逆にもらう側となります。
金利 → 単純に毎日かかってくる一定の手数料(買いポジでは単純に金利、売りポジでは貸株料とよばれる)
逆日歩 → 制度信用取引で空売り発注量が多くなると、毎日かかってくる手数料(売りポジでのみ発生)
金利と逆日歩。
信用取引で毎日継続的にかかってくる手数料としては、基本この2つに注意です。
なお逆日歩は一般信用取引では発生しません。
現物株や一般信用取引の買いポジでは、逆日歩をうけとれないことに気をつけます。
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これらの手数料ですが、1日のデイトレですます分には、金利手数料は1日ぶんのみ、逆日歩は無料。
1日もちこして2日間もつ場合には、金利手数料は2日ぶん、逆日歩は1日ぶんとなります。
以下もちこす日数がふえるごとに、金利手数料や逆日歩は比例的にふえていきます。
例外として、水曜日の引けから木曜日の寄りに持ち越したポジションに対しては、たとえ1日の持ち越しであっても、金利手数料は2日ぶんではなく4日ぶん(逆日歩なら3日ぶん)を支払うことになります。
制度信用取引での買いポジ金利は年利3%、売りポジ貸株料は年利1%。
たとえば100万円ぶん買いポジを持っていれば、年間3万円の金利手数料。
4日分ですので、3万円を365で割り1日82円、4をかけて328円を支払う計算。
売りポジなら年間1万円なので、1日27円、4日で108円という計算です。
なぜこうなるのかといえば、株というのは約定日と受渡日が別々になるからですね。
約定日 → 実際に私たちがネット上で売買した日
受渡日 → 書面上の売買日(約定日の2営業日後)
2019年6月以前は約定日の3営業日後が受渡日(T+3方式)でしたが、2019年7月以降は約定日の2営業日後が受渡日(T+2方式)になっています。
金利や逆日歩といった手数料は、約定日ではなくこの受渡日をベースに考えます。
そんなわけで水曜エントリー、木曜エグジットの場合、それぞれ受渡日は2営業日後。
つまり書面上は金曜エントリー、月曜エグジットという形になり、土日をはさみます。
金利・貸株料についても、4日分の手数料がかかってしまうわけですね。
水曜のうちにデイトレでエントリー・エグジットをする場合は、1日分の金利・貸株料ですみます。
しかし翌日まで持ち越して木曜エグジットという場合には、3日分が追加されて4日分の金利・貸株料になることに注意です。
まとめると、以下のような感じ。
(1)1日間のデイトレで完結する場合、すべての金利手数料は1日分、逆日歩なし
(2)営業日の2日間ポジを持つ場合
(3)営業日の3日間ポジを持つ場合
(4)金曜エントリー・月曜エグジット時
奇妙な話ですが、かわりに金曜にエントリー、月曜にエグジットという形では、2日ぶんの金利手数料、1日ぶんの逆日歩ですみます。
いずれも受渡日ベースで土日や祝日など非営業日をはさむ場合に、一気に手数料がふえるのが特徴。
月曜まで祝日で休みになれば、水曜エントリー・木曜エグジットでは5日分の金利・貸株手数料になります。
また月曜が平日で火曜が祝日の場合、今度は木曜エントリー・金曜エグジットでも3日分の金利・貸株手数料となります。
(5)月曜が休みで営業日の二日間ポジを持つ場合
(6)火曜が休みで営業日の二日間ポジを持つ場合
以上が、おおまかな信用取引手数料のかかりかたのルールです。
まあまず初心者が見たら、とても面倒くさいルールです。
私でも、こうしてたまに整理しないと忘れます(笑)
みなさんも今後株をやっていく過程で、少しずつ理解していけばいいと思いますね。
信用取引を日またぎスイングトレード以上で使うと、土日祝の非営業日ぶんの手数料をどこかで支払わないといけません。
その取り決めが、この約定日・受渡日の決済期間ルールということです。
逆日歩については、発生しない日のほうが多いので油断しがちです。
おもに権利付き最終日では、優待クロスを狙う短期筋の思惑により、一気に逆日歩がふくれがち。
金利手数料よりも、注意したいところです。
権利付き最終日が水曜のときは、用心にこしたことはないでしょう。
2019年6月以前はT+3方式でしたので、信用ポジ持ち越しは「火曜日→水曜日」が警戒でしたが、現在はT+2方式につき「水曜日→木曜日」が特に警戒です。
T+3方式(2019年6月以前) → 約定日の3営業日後が受渡日
T+2方式(2019年7月以降) → 約定日の2営業日後が受渡日
いまは約定日の2営業日後が受渡日ですが、今後もさらに「T+1」という形で、約定日と受渡日の間隔が縮小される可能性はあります。
もしそうなった場合は「木曜日→金曜日」の持ち越しに警戒するといいでしょう。
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