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材料・思惑とは?
初心者は仕手株に気をつけろ!




材料」という言葉がありますが、相場の世界では「株価が動く原因」という意味をもちます。


目次

業績発表が株の材料の基本


たとえば代表的な材料として、その会社の業績発表

3か月おきに発表される決算短信で、最新の業績が発表されたり、上方修正・下方修正があったときに、株価は大きく上下します。

決算短信については、別記事「決算短信を使った短期トレードのやり方」にて。


<代表的な材料>

  • 個別株 → 決算短信、業績修正など

  • 指数・為替 → 雇用統計、FOMCなど


実際にはマネゲに頻発する単語


まあ実際にはこの「材料」という単語、時価総額1000億円にも満たない小型株(仕手株)などの短期トレード(マネーゲーム)で、多用される表現でもあります。


<用語チェック!>

  • 小型株 → 発行株数・出来高の少ない板薄銘柄。普段は値動きしないが、ちょっと資金が動くだけで一気に値動きして激化(1日で20%値上がり・値下がりすることも

  • 仕手株 → 本尊・仕手筋とよばれる大量の資金をもつ大口投資家によって、わざと株価のつりあげられた株(値動きを演じやすい板薄の小型株に多い)

  • マネーゲーム → 略称マネゲ。小型株の値動き乱高下によって、一日で10%以上の値上がり・値下がりが常態化している相場(IPOにも見られる)


業績が実際に発表されるまえに、その業績につながりそうな材料があれば、ひとたび値動きするのが株。

これを「思惑相場」と、言ったりします。


  • 材料 → 株価の動く原因

  • 思惑 → 材料のひとつで、業績につながりそうな噂、風説、予測などを言う(「材料」といえば一般的にこれ



小型株・仕手株・マネゲでは、こういった思惑の材料によって株価が上下しやすい。

そして思惑の材料で株価があがると、だいたいはすぐにさがって元の株価に戻る銘柄が多いことに、注意します。


2020年・石川製作所(6208)の防衛材料による上げ


たとえば石川製作所(6208)は、かねてより戦争銘柄として有名。

世界で戦争を予兆させるニュースがあれば、すぐさま値上がり率ランキング上位にのってくる銘柄です。


● 石川製など防衛関連株に投資資金集中(外部リンク)


(クリックで拡大・株探より)


2020年の大発会・1月6日、アメリカとイランのあいだで「戦争がおきそう」という雰囲気になることで、石川製作所はストップ高。



噂に対応する事実を見る


戦争になれば武器が売れ、業績アップにつながるだろう」と個人投資家は読みます。

そのため決算短信などで最新業績が公開されていなくて、実際に戦争になっていない段階でも、前もって株価が動くわけです。


逆にこういう場合、実際に業績が発表されると、前もってあがっていた株価はまったく動かなかったり、むしろさがったりもします。

これを「材料おりこみ済み」とか「材料出尽くし」とか言います。

相場の世界では「噂で買って事実で売れ」という格言がありますが、言い得て妙ですね。

この場合、「噂」が「戦争がおきるかも」という思惑。

「事実」が実際に戦争になったときや、よい業績が発表されたときですね。


2019年・オルトプラス(3672)のレベシェア思惑


他、思惑上げの例として、オルトプラス(3672)。

「ヒプノシスマイク」、略称ヒプマイで親しまれるスマホゲーム(ソシャゲ)などを開発するゲーム会社で、往年の小型株・仕手株です。


● ヒプノシスマイクの参画について(外部リンク)


(クリックで拡大・オルトプラス公式ページより)


オルトプラスはレベニューシェア思惑で、2019年9月から大相場を形成しています。



レベニューシェアとは?


レベニューシェア(レベシェア)とは、簡単に言えば、固定報酬から成果報酬になること

オルトプラスは別会社の下請けとして、協業でソシャゲを作成している会社。

それまではどれだけがんばって売上をあげても、胴元から支払われる報酬は固定の一律でした。

ちょうどみなさんがサラリーマンをやっていて、どれだけがんばっても月収が一律で20万円なのと同じですね。


これがレベニューシェアによって、売上の比率で報酬が決まることに。

がんばればがんばるだけ報酬はあがり、さぼればさぼるだけ報酬はさがる仕様になりました。

サラリーマンにあてはめれば、がんばれば月収が50万円とか100万円とかふえていき、さぼれば0円まで落ちるようなものです。



これが投資家にとって好印象の材料となり、決算短信で業績の数字は発表されていないが、先行投資という形で株価があがりました。


もちろんこの場合、レベニューシェアがいつまでたっても業績に反映されなければ、株価は元通りに下落

かねてよりオルトプラスは赤字銘柄で、何度も思惑であげては失望でさげる、ということをしています。


(オルトプラス・長期足)


思惑であげても業績がともなわなければ、いずれおちる。

そして小型株は簡単に値上がり・値下がりしやすい。

これが思惑重視の小型株が、仕手化・マネーゲーム化しやすい理由です。

デイトレーダー・スイングトレーダーなどの短期筋には、非常に好まれます。


2014年・KLab(3656)の誕生日投資法による上げ


他には面白いネタとして、「ラブライブ(スクフェス)」というソシャゲを作っているKLab(3656)。


● ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル(外部リンク)


(KLab公式ページより)


2014年、ラブライブのゲーム内キャラ登場人物の誕生日には、KLabの株価があがりやすいという「誕生日投資法」が話題になりました。



登場人物の誕生日にはゲーム内でキャンペーンがあり、ゲームユーザーがこぞってゲームに課金します。

それにより「KLabの売上があがり、株価もあがるのではないか?」という思惑ですね。


KLab・実際の検証



こちらは2014年ラブライブキャラの誕生日における、KLabの前日比・終値ベースでの値上がり・値下がり率。

実際「矢澤にこ」の誕生日7月22日で株価が18%急騰(株価1461円→1730円)したのち、「高坂穂乃果」の誕生日8月3日(3日は非営業のため翌営業の4日で計算)でも急騰(株価1916円→2273円)。

デイトレでかなり稼げたことになります。

しかしそのあと「南ことり」と「絢瀬絵里」の誕生日では、株価は大幅下落。


イナゴ投資によくある結末


これは、誕生日投資法を聞きつけた個人投資家がKLab株にむらがることで、買いが多数化。

下値でKLab株を大量にしこんでいる大口投資家が、高値で買ってきた個人投資家たちに売りつける現象(はめこみ)が発生するためです。

さらにはツイッターなどのSNSでKLab株を買い煽る人も出現し、それを見て買ってくる素人投資家たちも殺到。

このときの個人投資家たちのことを「イナゴ投資家」と言い、小型株・仕手株などのマネーゲームではよく損をする人たちです。


  • 買い煽り → ツイッターでフォロワーの多い人(仕手筋など)がオススメ銘柄をツイートにあげて、フォロワーに買わせるよう誘導すること

  • イナゴ投資家 → ツイッターで有名な株アカウントの情報につられて急騰中の小型株に買いをいれる、小資金の短期トレーダーのこと



いくら良い材料や思惑があっても、多数派になった時点で負けるのが、相場というもの。

短期トレードほどゼロサムゲームの色彩が強くなり、思惑なんかよりも需給が大切ということがわかります。

「需給」なんて綺麗に言っていますが、ようするに「株を買ったあと、その株を誰に高値で売りつけるのか。はめこみ相手をしっかり意識しろ」ということですね。

これは転売と同じ発想です。


一度使われた法則はだいたい廃れる


ちなみに誕生日投資法が有名になったあとの、「高坂穂乃果」と「南ことり」の毎年の誕生日の株価騰落率は、以下のように。



見事にさがりつづけですね(笑)


一度発見された法則というのは、短期トレードほどすぐに使い古されて、通用しなくなります

よって法則が通用しなくなったら、すぐに切るということが重要。

今回のKLab株の誕生日投資法にしても、2014年の「矢澤にこ」の誕生日1回で法則性を確認し、次回誕生日の「高坂穂乃果」でとるしかなかったことに。

むしろ「高坂穂乃果」と「南ことり」の誕生日でデイトレするなら、今後は空売りをやったほうがいいとすら言えますね。


(KLab・長期足)


まあよくよく考えてみて「誕生日にユーザーの課金量がふえるからといって、それが長期的な収益向上につながるのか?」という話でもあります。

やはりこうした思惑材料の類は、水物と考えたほうがいいですね。


こういう思惑相場、オルトプラス・KLabのようなゲーム系の株(ゲーセク)ではよく見られます。

他にも創薬に携わるバイオ系の新興株も、思惑上げは多い。

小型株のゲーセク・バイオほどマネーゲーム化しやすく、長期投資は禁物と言えるでしょう。


その他の材料


まあ極端な話、ダジャレみたいな、くだらないネタであげるものも多いです。

例えば長野計器(7715)は2020年12月に株価があがっていますが、12月といったらクリスマスケーキということで、関連して長野計器(ケーキ)もあがるみたいな(笑)

長野計器は精密機器の会社であって、お菓子の会社ではないです。

こちらも短期の思惑上げと考えたほうがいいでしょう。



また、個別株というよりダウ平均株価などの株式指数になりますが、アメリカ大統領の発言なども、指数や為替には影響

材料として機能します。


実際、ドナルド・トランプ大統領のツイッター発言で、これまで株式指数はかなり上下にゆさぶられてきました。

とりわけ際立つのは、米中の貿易戦争に関する発言ですね。

トランプだから、通称トランポリン相場

こと指数・為替取引をしている短期トレーダーは、いつも大統領発言に翻弄され、ストレスに満ちた日々を送っている人も多いですね(笑)


● ドナルド・トランプ大統領のツイッター(外部リンク)


(クリックで拡大)


参考までに、こちらはトランプ大統領の2020年1月ツイッターつぶやき。

ダウ平均株価が29000に到達した」と、株指数について具体的に発言。

大統領にせよ起業家にせよ、とにかくアメリカは株主第一主義。

株価をあげることのできないリーダーは、すぐに解任させられる運命にあります。

株をやるうえでは日本よりアメリカの動向を見たほうがいいのは、こういった背景もありますね。


材料・思惑投資まとめ


材料投資の中でも短期の思惑相場は、言ってみれば「連想ゲーム」的なものが多くなります。

そしてその多くが、以下のような特徴を持つ。


  • 業績がともなうか曖昧な材料で、株価が乱高下

  • 短期トレード向けで、多くの人はイナゴ行為による売買手数料とキャピタルロスで負ける

  • イナゴがたくさん集まってきたら、下値で仕込んでいる大口投資家は一斉に売りぬける

  • 非東証一部で、マザーズ、ジャスダック、東証二部の銘柄ばかり

  • 時価総額1000億円未満の小型株

  • ゲーム、バイオなどのセクターが多い

  • 仕手筋などの大口投資家や広告塔によって、ツイッターで買い煽られやすい

  • 法則化されることで絶対に勝てる手法(相場界では「聖杯」とよばれる)があると錯覚し、さらに負ける


こうした銘柄は難易度が高く、しかも初心者ほどひっかかりやすいです。

初心者は右も左もわからない状態ですので、とにかく投資手法よりも「これから株価のあがる銘柄そのもの」を知りたい。

ツイッターの書き込みで、銘柄名だけ見て安直に投資する人が多いです。


ツイッター銘柄に気をつけよう


しかしだいたいツイッターで書き込みのある銘柄は、上記のような小型・短期向けの思惑銘柄ばかり。

それも、ある程度株価のあがってしまっている状態です。

こうした小型株に投資するなら、ツイッターで話題になって株価があがるまえに仕込むことが重要

そして話題になったら、いさぎよく売ってしまうわけです。



またこうした小型株投資でうまくいっている人は、自分の得意分野を作っている人が多いですね。

ゲーム株ならゲーム株。

バイオ株ならバイオ株、といった感じに。

自分の得意分野を見定めて、銘柄のクセをつかむことが大事です。

トレードはオタク向け」とよばれる理由も、こうしたところにありますね。

ラブライブが好きなら、それに特化してKLab株中心に売買し、誕生日投資法などでも空売りをする人が多いわけです。


小型株投資はくれぐれも慎重に


小型株は、1年で株価が10倍になるようなものもあり、夢のある一攫千金の手法であることに、違いはありません。

デイトレについても、うまくやれば1日で20%とれることもありますね。

とはいえ、毎回そうそうとれるものでもありません。

投資する場合は、くれぐれも慎重にやりたいところです。


なににしても短期・小型は、連想ゲーム慣れして、下値で仕込むことが肝要。

そしてある程度ギャンブルと認識し、損切りやナンピン前提でいどむことも大切

結局のところ、こうした小型株の短期トレードでつねに勝っているのは、資金が大量にある人です。

相場慣れしてて資金余力のある人からすれば、株価が上にいこうが下にいこうが、ボラ(大きな値動き)があればいいわけですから。



当ページでのせた思惑・材料は、あくまで一例です。

思惑材料は当ページにのせたもの以外にも、たくさんあります。

興味があれば、ぜひ調べてみるといいでしょう。




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