今回は「順張り」と「逆張り」について、解説していきます。
どちらも相場のエントリーの手法として、よく言われる表現ですね。
目次
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簡単に言ってしまうと順張りというのは、トレンド(流れ)にのる手法。
逆張りというのは、トレンドに逆らう手法です。
● トレンドとレンジ(復習記事) |
もっぱら順張り(トレンドフォロー)のほうが初心者向け、逆張りのほうが上級者向けと言われます。
順張り → 上昇トレンド中の株に買いエントリーする、下降トレンド中の株に空売りエントリーする(初心者向け)
逆張り → 下降トレンド中の株に買いエントリーする、上昇トレンド中の株に空売りエントリーする(上級者向け)
逆張りは流れにさからう手法なだけあって、バリュエーション(企業価値)を判断するための高度な分析力が必要。
そのうえで、資金力も必要ですね。
ただし、株価が安くなればなるほど安く買え、高くなればなるほど高く売れるため、投資で稼ぐための「安く買い高く売る」という本来の原則は守れます。
いっぽう順張りは、流れに従う投資手法。
つねに含み益がでていて当たり前ですので、小資金でも対応可。
ただし、売買したあとすぐに運悪く大暴落・大急騰があったときには、助からない可能性があります。
<順張りの特性>
純粋にあがりづつける株を買い、さがりつづける株を空売りするだけなので、分析力がなくてもとっつきやすい
最初の期間以外は基本的に含み益の状態になるため、ナンピンの必要がない
「買いのあとすぐに大暴落、空売りのあとすぐに大急騰」があったときは運悪く「高値掴み・安値掴み」になる可能性がある(逆指値で回避可能)
<逆張りの特性>
「下げどまる」「上げどまる」という確信をえるため、高度な分析やセンスが必要
含み損は発生して当たり前、平均取得単価を調整するためのナンピン資金があることが求められる
「安く買い高く売る」の原則を守れるため、うまくやれば安全性が高い
ちなみに含み損状態で玉を追加していくことをナンピン、逆に含み益状態で玉を追加していくことをピラミッディングと言います。
ナンピン買い → 買いの含み損状態で買いを追加、平均取得単価はさがる(逆張りで頻発)
ピラミッディング買い → 買いの含み益状態で買いを追加、平均取得単価はあがる(順張りで頻発)
ナンピン売り → 売りの含み損状態で売りを追加、平均取得単価はあがる(逆張りで頻発)
ピラミッディング売り → 売りの含み益状態で売りを追加、平均取得単価はさがる(順張りで頻発)
順張りと逆張りのエントリー基準については、これまでこの章で解説してきたテクニカルの知識が使えます。
<順張りのテクニカル的エントリー基準・例>
普通に高値更新で買い、安値更新で売り
移動平均線やトレンドラインを使って押し目買い、戻り売り
<逆張りのテクニカル的エントリー基準・例>
MACDやRSIなどのインジケーターのゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売り
レンジ相場であれば、水平サポートラインで買い、水平レジスタンスラインで売り
逆張りについては、ボリンジャーバンドやエンベロープ(移動平均乖離率)といったインジケーターを使って「下方乖離で買い、上方乖離で売り」といった基準も大切ですね。
「月足が右肩あがりの銘柄に、順張りで買いをいれる」、初心者の場合は、この一点につきます。
デイトレ日中足のような短期トレードでの順張りは、初心者はあまり考えないほうがいいですね。
なぜなら短期トレードほど出来高が少なくなり、買いでの高値掴み、空売りでの安値掴みの可能性が高くなるからです。
逃げ足のはやさも要求されます。
特に初心者のうちは空売りを使わず、ファンダメンタルをいかしやすい高値更新の買いに、限定していくといいでしょう。
まともに考えればわかりますが、月足規模での上昇トレンド銘柄に買いをいれて、そこが天井になるような展開は、よほど運が悪くないと無理です(笑)
よく「高値掴みのJC(ジャンピングキャッチ)は回避せよ」と株の世界では言われますが、あくまでそれは日中足・分足や日足などの話。
月足規模の長期投資であれば、そこまで神経質になることではありません。
月足が上昇トレンドの銘柄に買いをいれて、短期トレードの上昇トレンドは狙わない
空売りは使わず、買いエントリーに限定していく
成長率や利益率などの業績ファンダメンタルを見て、買いの根拠を補強していく(次ページより解説)
資金が入りつづけている銘柄に波乗る形で、素直に買っていきます。
第四章では、チャートやテクニカル分析の基本について見てきました。
次ページの第五章からは、株独特の攻略法であるファンダメンタル分析について、見ていきましょう。
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