日経平均株価のような株価指数も、個別株や為替同様、取引することができます。
日経を買っておき、日経があがったら利益になり、日経がさがったら損失になる、といった具合に。
その手段のひとつが「先物」となります。
相場の世界で先物といったら、まず日本の場合「取引できる日経平均株価」である日経平均先物のことをしめしますね。
日経平均株価 → 主要日本株225銘柄の株価の平均値
日経平均先物 → 取引のできる日経平均株価
目次
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日経平均先物は日経平均株価同様、株アプリやグーグル検索で見ることができます。
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こちらをご覧ください。
普通の日経と先物の数値が、そこまで変わらないことがわかりますね。
このように基本、日経株価と日経先物は同じ値動きをします。
日経先物は「取引できる日経」という性質以外にも、「もう一つの日経」として機能します。
まず日経株価と日経先物の違いとして、営業時間。
日経株価 → 9時~15時
日経先物 → 土日祝をのぞく24時間
日経株価はあくまで個別株の平均株価ですので、個別株と同じくザラバのときしか値動きしません。
しかし先物は為替のように、平日の24時間ずっと動きます。
このため日経先物は「日経株価の先行指標」としての機能も持っています。
「ナイトセッション」とよばれる夜間取引で値動きした先物は、翌日のザラバ開始9時で寄りつく日経平均株価に、大きく影響を与えます。
普通は先物が値動きしたぶん、翌日の日経も同じ数値になります。
たとえば上図のように、21000で日経株価が15時にひけたあと、夜間先物が21000から20000までさがりつづける。
すると翌日の日経株価はギャップダウンした形で、寄りを20000からスタートすることになります。
この場合、15時から先物でショートをいれておけば、翌日9時の利確で1000円ぶんの値幅が利益になります。
もちろんショートは、翌日9時まで待たずとも、20時や24時に利確することも可。
● ギャップと窓埋め(参考記事) |
先物は為替同様、XMで取引することができます。
先物は日経以外にもマザーズ先物、ダウ先物、ゴールド先物、原油先物などがあります。
為替FXと同じように、チャート・テクニカル重視の短期トレードで稼ぐときに使えますね。
株の信用取引のように、買い(ロング)と売り(ショート)両方でエントリー可。
レバレッジもききます。
24時間動くのでギャップアップやギャップダウンがなく、逆指値による資金管理もしやすいです。
いま自分が持っている複数の金融資産をポートフォリオ、それによって値動きのリスクを抑えることを、ポートフォリオ戦略とか言ったりします。
投資では、持っている銘柄数をふやすほどリスクは分散され、値動きはゆるやかになります。
指数はあらゆる株の平均値ですので、その様子は指数のチャートでもよく見ることができます。
こんな感じに。
(「指数<ポートフォリオ戦略<個別株」の順に値動きは大きくなる)
そして投資の世界には「機関投資家」とよばれる投資のプロが存在します。
彼らはみなさんからお金を集め、こういったポートフォリオ戦略で指数採用の銘柄を複数運用。
指数の値動きに似た、安定した成果をだそうとします。
これを投資信託(ファンド)と言ったりしますね。
● 投資信託・ETFとは?(参考記事・ファンドのわかりやすい解説) |
個別銘柄の分析時間を確保できない人は、こうした指数の値動き自体を対象としたインデックス投資信託(あるいはETF)を使って、積立の長期投資をする人が多いわけです。
先物も短期向けになりますが、そんな風にして作られた、同じ指数商品です。
ちなみにザラバ限定になりますが、短期の指数取引は先物だけでなく、株式口座でもできます。
代表的銘柄は「日経レバレッジETF(1570)」と「日経ダブルインバース(1357)」。
これら短期用のETFは信用取引を使えば、それぞれ売り(ショート)でも入れ、レバレッジもききます。
日経レバETFは指数に連動する動きであることに対し、ダブルインバース(インバ)は「日経が下落したときにあがり、上昇したときにさがる」という特殊な指数商品となります。
信用取引を使わずに、現物だけで日経の下げに賭けたいときにオススメとなるETFですね。
● 短期売買で人気のあるETF(参考記事・レバETFとインバについて) |
取引できる日経指数商品をまとめると、以下のように。
投資信託やETF → 積立や長期投資に使われる
日経レバETF(1570)や日経ダブルインバース(1357) → 中短期向け、先物口座を使わずに、株式口座だけで指数取引したいときに使用
先物 → 短期向け、XMなど先物口座をひらく必要があるが、24時間ずっと取引可能
先物の特徴として、金利手数料がかからない、決済期限がある点にも注目したいですね。
日経株価と日経先物はほぼ同じ値動きをする
営業時間は日経株価はザラバのみ、日経先物は休日以外の24時間ずっと
日経株価は取引できないが、日経先物は取引できる
先物は株価の先行指標としての役割を持つ
先物は短期トレードに使われる
為替FXや先物は、短期トレードを極めた人が最終的にたどりつく場所です。
私は相場初心者に短期トレードはあまりオススメしていませんが、しっかり経験をつめば、大金を稼げる手法となります。
● 短期トレードを極めるには?(参考記事) |
デイトレードやスキャルピングといった1日完結売買とまでいかずとも、数日程度のスイングトレードのような短期トレードにふれておくのも、相場経験として悪くないですよ。
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