代表的なチャート形状として、三角形・トライアングル(三角もちあい)とよばれるものがあります。
相場をやっていくうえで、覚えていて損はない形状ですので、しっかり見ておきましょう。
株でも使えますが、もっぱらショートが主役になる為替FXやビットコインで、多用される形状です。
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こちらは一番基本形となる三角形。
「シンメトリカル・トライアングル」とか「ペナント」とかよばれます。
この形では、抵抗線(レジスタンスライン)と支持線(サポートライン)の距離が、どんどん縮まっていく様子がわかります。
抵抗線 → 株価が上昇してタッチしたら、跳ね返されて下降しやすい線(株価より上にある線)
支持線 → 株価が下降してタッチしたら、跳ね返されて上昇しやすい線(株価より下にある線)
● トレンドとレンジ(抵抗線と支持線の解説) |
次第に抵抗線と支持線がかさなる点がありますが、この頂点(アペックスともよびます)に達するまえに、どちらかにブレイクすることが多い。
抵抗線を上抜ければ買い、支持線を下抜ければ売り。
ぬけたほうに素直に順張りでエントリーするのが、トライアングルの基本です。
「三尊逆三尊・三山三川・Wトップボトム」との最大の違いは、三角形ではネックラインが存在しないということ。
ネックラインがないため、ブレイク前では「これは買い・これは売り」というのが、完全にわからないです。
● 三尊逆三尊(参考記事) ● 三山三川・Wトップボトム(参考記事) |
三角形ではネックラインがないかわりに、抵抗線と支持線の両方がかならず存在します。
アセンディング・トライアングル(上昇三角形)とディセンディング・トライアングル(下降三角形)。
それぞれツイッターなどのSNSでは、「アセトラ」とか「ディセトラ」とか略されます。
アセンディング(ascend)は「上昇」、ディセンディング(descend)は「下降」の意味。
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それぞれアセトラは上抜け、ディセトラは下抜けの可能性が高いと言われますが、あまりアテにはなりません。
オリエンタルランド(4661)は2015年~2017年の長期で、6000円の水平線をサポートにするディセトラが出現。
この場合は上抜けたため、上抜け時点で買いエントリーして現物放置が正解の形。
そのあとも、順調に上昇トレンドになっています。
2020年1月時点で、株価は15000円ほどまで上昇。
このようにトライアングルでは、実際に抵抗線・支持線のどちらかを抜けたあとに、売買タイミングを見るわけです。
めったにでない形として、ブロードニング・トライアングル(逆ペナント)があります。
これは扇状に抵抗線が上昇、支持線が下降という形。
めちゃくちゃ不安定な相場ということの裏返しですので、下にブレイクする可能性が高いです。
しかし歴戦のプロも、この形は苦手な人が多い。
よほどエントリーに自信がないかぎり、初心者は様子見に徹したほうがいい形となります。
「難しいことはしない」、相場の鉄則です。
鋭角三角形としてはウェッジ(くさび)があり、上昇ウェッジは支持線・抵抗線どっちもきりあげ、下降ウェッジは支持線・抵抗線どっちもきりさげ。
三角形ではありませんが、フラッグとよばれる平行四辺形でも、上昇フラッグで支持線・抵抗線どっちも平行にきりあげ、下降フラッグで支持線・抵抗線どっちも平行にきりさげ。
この平行線を「パラレルライン・チャネルライン」とも言います。
上昇ウェッジ・上昇フラッグともに下ブレイク可能性が高いですが、これは下降トレンド中の「戻り目」として出現しやすい形状だから。
下降ウェッジ・下降フラッグにしても、上ブレイク可能性が高いのは、上昇トレンド中の「押し目」として、出現しやすいためです。
下降トレンド中に上昇ウェッジ・上昇フラッグが出現 → 下抜けにそなえ売りエントリーの準備
上昇トレンド中に下降ウェッジ・下降フラッグが出現 → 上抜けにそなえ買いエントリーの準備
こんなことが、言えますね。
最後に、ダイヤモンド・ひし形。
こちらもシンメトリカル同様、ラインをどちらかにブレイクしないと、完全に方向性のわからない形状です。
三角「持ち合い」という名の示すとおり、トライアングルは、上と下、どちらかに抜けるまではレンジ相場です。
そのためレンジ内で「支持線まで下降したら買い・抵抗線まで上昇したら売り」という使い方も、もちろんできます。
ソフトバンクグループ(9984)は、月足で2013年から2016年にかけて、ディセトラを形成。
3300円(分割前6600円)の価格帯に、下ヒゲ込みの水平サポート線がありました。
この間、下降して3300円にタッチし、そこで跳ねかえされて株価の上昇した回数は、およそ7回。
まあ実際どれだけ跳ねかえされるかは、あとにならないとわからない。
2回跳ねかえったあと、3300円のラインがサポートとして機能すると見なし、3回目以降で買いエントリーするのが適切です。
はずれた場合にそなえ、3200円あたりに損切り注文をいれておきます。
下降してくる抵抗線で、レンジ領域がせばまってきたら、レンジをぬけるのを待ちます。
今回は下にぬけてますので、空売りで順張り。
3300円の水平線がロールリバーサルして、支持線から抵抗線になっています。
下から3300円に上昇してタッチしたところを空売りエントリーするのもアリですね。
7回もサポートとして機能した強力な水平線ですので、いざ下抜けてロールリバーサルした場合、その水平線はやはりレジスタンスとしても強力になります。
レンジを抜けた後に順張りエントリーするのと比べ、レンジ相場内の逆張りは、短期トレードになりがちで、手数料負けしやすいことに注意しましょう。
初心者がこうしたレンジ相場でのトレードをするなら、以下の点に注意したいです。
<レンジ内でのトレードのやり方>
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ただでさえ投資期間が短期になりますので、手数料負けしないように、週足や月足で長期的にトライアングルを形成しているかを見て、エントリーしましょう。
またアセトラやディセトラのように、水平線がしっかり支持線・抵抗線として機能するチャート形状がオススメ。
ディセトラなら水平支持線での買いエントリーにしぼり、アセトラなら水平抵抗線での空売りエントリーにしぼります。
斜線の支持線・抵抗線での売買は、やはり上級者向けになります。
予測と別方向に相場が進んでしまった場合にそなえ、損切り注文も守るようにしましょう。
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