このページでは、空売りやショートの仕組みについて、わかりやすく解説しています。
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株では、株が値上がりしたとき以外にも、値下がりしたときに儲かる「空売り」という仕組みがあります。
だいぶ複雑ですので、この仕組みを理解するために、ひとつ車で具体例をだしましょう。
たとえばあなたに遠方での急用ができ、車が必要になったとする。
そこで車を持ってる知り合いAに頼んで、車を借りてくることにします。
もちろんその車は、そのうち知り合いAに返さないといけない。
さて、急用が終わって車が用済みになると、今度は突然好きな異性にアプローチされた。
自分たちが結婚式をあげるからと、お金が必要になりました。
そこでひどい話ですが、知り合いに借りた車を、そのときの相場価格である500万円で売ってしまう(笑)
あなたは500万円を手にします。
そして結婚式に200万円を使い、結婚式が終わったあと、残ったお金は300万円。
そこで売りにだした同種の車をふたたび買い戻そうとしたら、車は200万円で叩き売りされていた。
なのでそれを購入。
その車を知り合いAに返すことで、円満に終了。
知り合いAは同種の車を返してもらえれば、文句なし。
しかもあなたは200万円の結婚式代と100万円の現金、あわせて300万円を稼いでいます。
これは車の値段が500万円から200万円に値下がりすることで、達成できた稼ぎです。
相場での空売りやショートといったものも、この車の仕組みと同じです。
たとえば銘柄Aの100株を証券会社から借りて、株価1万円のときに100万円で売り。
株価6000円のときに60万円で買い戻して、銘柄Aの100株を証券会社に返す。
これにより株価の値下がりで、40万円稼ぐことができます。
このように証券会社から株を借りますので、空売りに使われる株は「貸株」ともよばれますね。
車の例と違うのは、株の空売りではモノを借りるのと同時に、売りをおこなっていること。
そして売ったときに手に入るお金は、すぐに証券会社に回収されている(担保されている)ところですね。
空売り玉を買い戻すことで、はじめて差額ぶんのお金が証券会社によって支払われます。
まあネコババできない仕組みになっているわけです(笑)
ちなみにドル円のような為替FXのショートも、同じ理屈。
証拠金をもとに、ドルをFX業者から借りてきて誰かに売る。
ドルの値下がりで買い戻し、FX業者にドルを返すことで稼げます。
私たち日本人はドルを普段持っていませんので、ドルの値下がりで利益をあげたいなら、ドルを借りてこれるショートという仕組みは、非常に助かるわけです。
これが商品の値下がりによって儲けることができる、おおまかな仕組みです。
モノを借りる
モノを誰かに売りつける
時間経過でモノが安くなったときに誰かから買い戻す
モノを返す
このような手順です。
空売りで重要なのは「モノを売りつける相手・モノを買い戻す相手・モノを借りてくる相手」の3者がいて、その3者がモノの価値をわかっていないということ。
「売りつける相手」にはモノを高値で売りつけ、「買い戻す(売ってくれる)相手」からモノを安値で買い戻す。
これは普通の売買でも同じことですが、なにより3者目の「モノを借りてくる相手」が、いちいちモノを売買する気すらない、というところに、空売りのミソがあるわけです。
無論この空売りという手法だと、売ったあとにモノの値段があがってしまえば、損することに気をつけます。
そしてだいたい、タダでモノを貸してくれる人はいませんので、あらゆる手数料がかかってくるのがデフォです。
株の空売りでは、毎日の金利(貸株料)や逆日歩といった手数料がかかってきます。
● 金利手数料・逆日歩の具体的なかかりかた(参考記事) |
ちなみに貸株サービスというのがあり、もしあなたが現物株を持っているなら、証券をとおして、他人に空売りさせる株として貸すことができます。
そのときの空売りしている人に発生する毎日の貸株料は、あなたのもの。
つまり空売りする側とは逆で、モノを貸す側になることもできるわけです。
貸株料で不労所得を形成している人も、いらっしゃいますね。
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